癒し

痛みと光の間

赤い口紅は小さな鎧

心が本当にボロボロだったとき、バンコクで真っ赤な口紅を買った。それは小さな鎧であり、「私はまたちゃんと立つよ」という静かな宣言だった。色ひとつで風向きが変わることが、人生にはある。
心に宿る星

ブラフマ・ムフルタの風と、私のアスクレピオスの杖

天の川を求めて訪れた夜明けの貯水池。期待が「不発」に終わった闇の中で出会ったのは、医学の祖ケイローンと、私を導く「アスクレピオスの杖」。ブラフマ・ムフルタの静寂の中で、内なるオージャスが宇宙のソーマと共鳴した、深い瞑想の記録。
生と死

天使以外の呼び方が見つからない

夫が旅立つ2日前に生まれた初孫。会えないまま逝った夫はフルネームを何度も呼び、家中を歩き回って喜んだ。三ヶ月後に抱いた柔らかさとおっぱいの匂いで、やっと息ができた。命は引き継がれ、いま小5の彼もやっぱり天使。
暮らしの風景

Homkhao homnaa — 見過ごされてきた時間に出会うカフェ

インスタ映えのカフェが増えるチェンマイで、ひっそりと静かな時間を守っているメーリムのカフェ。田園風景を眺めながら過ごす、穏やかな午後。
生と死

年月を経て読み直す『預言者』—— 死から生へひらかれる視線

2018年に書いた『預言者』の記事を、2025年の年末の今、あらためて読み返してみた。同じ言葉なのに、胸に届く意味はまるで違っている。死を見つめていた視線は、生きている私自身へと静かに反転していた。年月とともに息を変えるジブランの言葉と、いまの私の立ち位置について。
痛みと光の間

いま、つらさの中にいるあなたへ

痛みの中にいるときでも、心の奥には消えない静かな灯りが残っている。その光にふっと触れられたとき、私たちの歩みはもう始まっているのだと思う。
痛みと光の間

揺れる心で友を思う

大切な人が病と向き合うとき、日常の風景は変わらないまま、心の奥だけが静かに揺れはじめる。尊重と不安、そのあいだで友を思い続けるということについて。
心に宿る星

スピカと、記憶のほうからやってくる時間

那須の夏の西の空に、乙女座のスピカが静かに浮かんでいた夜。家族の何気ない時間と、ヤコブ・ミュールラッドの音楽が、記憶のほうからふいに近づいてくる。
心に宿る星

冠の端を横切った光 ― 10秒という時間の層

南の空に沈みゆく南のかんむり座。その端を、10秒の露光のあいだに一筋の流れ星が横切った。偶然と意図、天と地が重なった、短くも濃密な夜の記録。
記憶の風景

sonderという感覚 〜 雨の夜に感じた世界とのつながり

深夜、雨音で目が覚めた。窓の向こうで、無数の人生が同時に流れていると気づく瞬間。〈sonder〉という言葉が、孤独とつながりをそっと結び直してくれた。