意識の力

成熟のレッスン
恐れが世界を覆う時も、いのちは調和へ向かい続ける

恐怖が身体に与える影響 ― ブルース・リプトンが語る「意識の力」

車を運転しながら、ブルース・リプトンの The Biology of Belief1 に関するトークを聴いていたとき、ふと今、世界中を揺らしているコロナウイルスのことが頭に浮かんできた。

リプトン博士の話によると、私たちが恐怖を感じた瞬間、脳は劇的に変化し、神経化学物質を放出し始める。そしてその状態が続くと、やがて身体の生理機能の崩壊にまで繋がっていく可能性があるという。
脳波(EEG)は、私たちの思考がどれほど体内環境に影響を与えているかを示し、ポジティブ・ネガティブ両方の思考が、細胞・組織・臓器レベルにまで作用していることがわかっている。

さらに興味深いのは、脳磁図(MEG)の研究だ。詳しい理屈は専門家に譲るとして(笑)、とても印象的だったのは、私たちの思考は頭の中だけにとどまらず、環境にブロードキャストされているらしいということ。
「え、思考って放送されてるの?」笑、と車の中で軽く声が出たほどだった。


プラセボ効果とノセボ効果 ― 心が現実をつくる証拠

医療の世界にはよく知られたプラセボ効果2がある。偽薬であっても「これは効く」と信じる意識が、実際に癒しをもたらしてしまう現象。つまり、意識(心)が治癒という現実を生み出す

そしてその反対にあるのがノセボ効果3
恐れや否定的な信念が実際に体を弱め、病を悪化させ、時に命に関わる影響を生み出すことさえある。


古代の智慧と精神性 ― 「全は精神」が意味するもの

アシュタールのスクールで学んだ「ヘルメスの7つの原理4」の最初の教えは、「全は精神。宇宙は精神的である。」という「精神性の原理」。
世界はまず意識から始まる――この古代からの知恵は、まさにマスターキーだと感じている。

同じことを、チネイザン5の学びでも繰り返し見てきた。
感情や心の状態がどれほど臓器や体全体に影響を与えているか。そして、それを解放していくことがどれほど深い癒しになるか。

もちろん、医学科学の恩恵を否定したいわけではない。
むしろその発展には心から感謝している。
ただ同時に、健康における「意識の役割」も決して軽視してはいけないと思っている。


パンデミックよりも厄介だったもの ―「恐怖」の感染

今回のコロナのパンデミックで、本当に致命的だったのは・・・
ウイルスそのものよりも、それが人々の心に生み出した恐怖だったのではないだろうか。

メディアを通して広がる恐怖は、人々の心と身体を緊張させ、さらに別の不調を生み出す。
そして不安と恐怖の振動は、個人の中だけでなく、まるで電波のように周囲へも広がっていく。

(もちろん、「気合いでウイルスを吹き飛ばそう!」と言っているわけではありません、念のため。笑)


私たちはどこへ意識を向けるのか ― 心を整えるという選択

物理学でも、生物学でも、心理学でも、そして古代の智慧でも、同じことが語られている。
「意識は現実を形づくる」。

世界を変えたいなら、まず自分の思考と心の状態を整えることから始めなければならない。
でも「ポジティブに考えよう!」と頭で決めただけではうまくいかない。心の奥で本当にそれを信じていなければならないから、これはなかなか難しい。

だからこそ、意識して「今どんな心でいるか」を選ぶこと。
そして瞑想の大切さを、私は改めて感じている。
(偉そうなことを言いつつ、私自身は絶賛ヘナチョコなのだけど。笑)

ある日、大量に押し寄せていた中国人団体観光客が消えて静かになったチェンマイで、スッと停められたMAYA(チェンマイ市内のショッピングモール)の駐車場に感謝しつつ(笑)、その一方で薬局のマスク争奪戦を見て、なんとも言えない違和感を覚えた。
恐怖が世界を動かしている…そう感じた瞬間だった。


音楽は振動 ― 調和の周波数に触れるという癒し

そこで私の中で自然につながっていくのが、音楽のこと。

古代インドでは「ナーダ・ブラフマ6ー」、
――音は神であり、創造そのもの――
と語られてきた。
宇宙のすべては振動でできており、私たち自身もまた振動の存在。
ならば、音楽が心と身体に影響を与えるのは当然のことなのだと思う。

特に私は、古楽や古典音律の音に触れていると、世界本来の「調和の振動」にほんの少し触れているような感覚になる。
宇宙のどこかで鳴り続けている壮大な交響曲の端っこに、自分の存在が共鳴していく感じ。
そのとき、私の内側は静かに震え、癒されていく。

恐怖が世界を揺らしている時だからこそ、私は意識をどこに向けるかを選びたい。
恐れの波動ではなく、祈りや静けさ、調和の振動にチューニングしていたい。
きっとそれは、世界のどこか深い場所に届いていくと信じているから。

脚注

  1. ブルース・リプトン(Bruce H. Lipton)
    アメリカの細胞生物学者。著書 The Biology of Belief(邦訳:『思考のすごい力』など)で、環境・信念・意識が細胞や健康に与える影響について提唱。彼の研究はエピジェネティクスや心身医学の文脈でも語られている。 ↩︎
  2. プラセボ効果
    実際の薬効がなくても「効く」と信じることで症状が改善する心身反応。医学的にも認められている重要な現象。 ↩︎
  3. ノセボ効果
    逆に「悪い影響がある」と信じることで、心身に不調が生じる現象。恐れや不安の影響を示す代表例。 ↩︎
  4. ヘルメスの7つの原理(The Seven Hermetic Principles)
    古代から伝わるヘルメティック哲学の基本原理。
    「精神性の原理」「対応の原理」「振動の原理」「二元性の原理」「リズムの原理」「因果の原理」「性の原理」からなり、「意識が現実を形づくる」という思想の土台とされる。 ↩︎
  5. チネイザン(Chi Nei Tsang)
    タイ伝統医学にルーツを持つ内臓デトックス療法。お腹(腹部)に集中して働きかけ、臓器に溜まった感情的・精神的ストレスや緊張を解放し、心身全体のバランスを整えるヒーリングメソッド。 ↩︎
  6. ナーダ・ブラフマー(Nāda Brahma)
    サンスクリット語で「音は神なり」「宇宙は音から生まれた」という考え方。宇宙は振動(音)で成り立っており、音楽は人間の意識と存在に直接働きかける神聖な力であるとされる。 ↩︎

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