香り

生と死

天使以外の呼び方が見つからない

夫が旅立つ2日前に生まれた初孫。会えないまま逝った夫はフルネームを何度も呼び、家中を歩き回って喜んだ。三ヶ月後に抱いた柔らかさとおっぱいの匂いで、やっと息ができた。命は引き継がれ、いま小5の彼もやっぱり天使。
暮らしの風景

ペトリコールが運ぶ記憶の扉

雨が降る前、ふっと漂うペトリコールの香り。胸の奥がやわらかく揺れ、遠い記憶の扉が開く。雨は大地を洗い、新しい芽を育てる。私の心もまた巡りの中で息を吹き返す。その瞬間、私は呼吸し、見えないつながりに耳を澄ます。