さっきつくったパスタがあまりにおいしくて、味が体に残っているうちに書いておこうと思った。
お料理って、ただ「お腹を満たすため」だけのものじゃない気がする。
フライパンが温まる音や、きのこがゆっくり水分を手放して香りを放つあの瞬間。
サーモンの色が、静かに生から食べものへと移ろっていくプロセス。
それを眺めているだけで、張りつめていた何かが緩んでいく。
整えようとして整うわけじゃない。
ただ火と音と香りに身を委ねているうちに、外に散らばっていた気持ちが、自然と自分の中心に戻っていく感じがある。
素材と自分の波長が、どこかでふっと重なる。
その瞬間が、好きだ。
今日の一皿 ― 「ポータベーロのパスタ with サーモン」
クリームソースだけど、重くならない。
ふわっと軽く香るソースになった。
きのこはポータベーロが主役。
そこに少しだけしめじを足した。
ポータベーロは、厚切りと粗みじんの二役。
同じ素材なのに、形が違うだけで、香りの層がこんなにも広がるなんて、と思う。
サーモンは皮目をじっくり。
身のほうは 1 分だけ。
あとは余熱に委ねると、自然とちょうどいいところに落ち着いてくれる。
最後に別焼きのポータベーロを添えて、ライムの皮をほんの少しだけすりおろす。
香りがすっと立ち上がるあの瞬間が気持ちいい。
今回はパセリ。
本当はディルが似合うけど、それでもちゃんと皿はお店の顔になった。
材料(1人分)
- サーモン切り身 …… 1切れ
- ポータベーロ …… 1個
- しめじ …… 少し
- 玉ねぎ …… 小さめ 1/2
- にんにく …… 1かけ
- 白ワイン(今回はリースリングを“ドボっと”)
- 生クリーム 100ml
- 牛乳 30ml
- パルメザン …… 好きなだけ
- バター
- パスタ 1人分
- 塩麹・黒こしょう・パセリ(またはディル)
- ライムの皮(またはレモン)
下準備
サーモンの水分をしっかり拭き取る。
塩麹をまとわせ、軽く黒こしょう。
少し常温に置いておくと、火の入り方がやさしくなる。
作り方
- サーモンは皮目 3〜4 分 → 返して 1 分 → 余熱へ。
- ポータベーロは粗みじんと厚切りの 2 種類に。
- 厚切りは別焼き。盛り付けのために待機。
- 玉ねぎをよく炒め、バター+にんにくでポータベーロとしめじをしっかり炒める。
- 白ワイン、生クリーム+牛乳、パルメザンでソースになる。
- パスタのゆで汁で優しくとろみ調整。
- パスタを入れて絡める。
- 皿へ。サーモンとポータベーロを置き、パセリ(ディル)とライムの皮で香りの仕上げ。
とてもシンプルな流れ。
小さな余韻
ポータベーロの深い香りと、軽やかなクリーム。
そこに、しっとりと火が入ったサーモン。
キッチンの片隅でつくった一皿なのに、食べる瞬間だけ、少しだけレストランみたいな気持ちになる。
それがなんだかうれしかった。
つくることも癒しで、食べることも癒し。
今日はそんな一皿だった。


