The Great Bell Chant ― 苦しみの終わりへと響く祈り

痛みと光の間
大いなる鐘の詠唱・ティク・ナット・ハン

ティク・ナット・ハンが書いた詩で、その言葉を、彼のお弟子さんである Phap Niemさん が静かに、しかし魂の奥まで届くような声で朗読しています。
初めてこの動画を観たとき、胸の奥が温かくなるのと同時に、背筋をつたうような感覚が走りました。優しさと厳粛さ、そして人間存在への深い慈しみが同時に流れ込んでくる感じ。
「癒される」という言葉だけでは足りない、静かで力強い祈りのような響きでした。

動画の映像は、すべて映画 BARAKA からのもの。
懐かしい…と思ったら、やっぱりそうでした。圧倒的な自然、さまざまな民族、祈る人々、都市の喧騒、それらすべてが「この世界のいま」を映し出すあの作品。そこに、この詩と Gary Malkin の音楽が重なることで、単なる美しい映像作品でもなく、宗教的なメッセージでもなく、「いまここに生きる私たち一人ひとり」に向けた深い呼びかけのような作品になっている気がします。

Gary Malkin の音楽は “Graceful Passages: A Companion for Living and Dying優雅なる旅路:生と死のための伴侶” という作品集に収められているそうです。
「生きること」と「死ぬこと」を別のものとしてではなく、ひとつの連続した旅として扱うようなタイトルですよね。その音楽が、ティク・ナット・ハンの優しい言葉に寄り添い、さらに BARAKA の映像と絡み合うことで、この世界の痛みと美しさ、そして私たちの内側にある癒しの可能性が、静かに浮かび上がってくるように感じます。

ただ耳で聴くのでも、ただ映像を見るのでもなく、
「心で観る」作品。
よかったら、大画面で、そして深い呼吸とともに味わってみてください。

大いなる鐘の詠唱

この鐘の響きが
宇宙の奥深くまで染み渡りますように

たとえ最も深い闇の中にある命も
その音をはっきりと聴き取ることができますように

すべての苦しみが終わり
心に理解がもたらされ
悲しみと死の道を超えることができますように

法の扉は すでに開かれている
満ちていく潮の音が いま確かに聞こえる

奇跡が起こり
蓮の懐に 美しい子どもが生まれる

この慈しみの水の たったひとしずくが
山や川に 新しい泉を取り戻すほどの力を持っている

鐘の音を聴くとき
内に抱えている苦しみが 少しずつ溶けていくのを感じる

心は静まり
身体はゆるみ
唇には 自然な微笑みが浮かぶ

鐘の音に導かれながら
この呼吸は わたしを
マインドフルネスの 安らぎの島へ連れ戻してくれる

わたしの心の庭では
平和の花々が いま 静かに咲き始めている
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