インディ・ジョーンズと私の山道ドライブ

旅と思索
ウィエンヘーンへのロードトリップ

くどいようですが、先日の旅の話を続ける。

チェンダオの北 チェンマイ県のウィエンヘーン(Wiang Haeng)のキャンプ地Akipuへ向かう前、 私はずっと「ひとりでは絶対に無理だ」と思い込んでいた。 急勾配のカーブが延々と続く山道。 対向車が来た瞬間に反射的にブレーキを踏んでしまい、 急坂で止まったまま動けなくなる自分の姿を もう未来の予告編みたいにイメージしていた。 これはもう、「絶対に動けなくなる自分」のイメトレだよね(笑)

そんな自分だから、 バスで行く、という現実的な案まで視野に入れていた。 でも今回は、友人たちとの旅だった。 その中のひとりは、元気で勇気があって、 怖いもの知らずの若い女性。 「いざとなったら彼女にハンドルを渡せばいい」 そう思った瞬間、強力な助っ人を手に入れたような 安心感が生まれてきた。

実際の道は、最初は楽勝!って思ったけど しばらくすると想像通りのワイルドな道になった。 しかもところどころ本降りの雨。 土砂崩れのあとの泥道は轍が深くて、 一瞬「これは本当に県道ですか?」と聞きたくなるレベル。

でも車内はずっと大笑いだった。 急な坂道に差し掛かるたびに 全員でキャーッとか行けー!とか叫んだり、 突然 インディ・ジョーンズのテーマ曲を大合唱したり。 あの音楽が流れた瞬間、 恐怖の8割くらいは「冒険の演出」になった(笑) 音楽って、本当にこういうとき便利よね。 おかげで私は遭難ではなく 探検をしている気持ちになったからね(笑) ちなみに私の勇気のメーターは、 少なくともインディ・ジョーンズを歌っている間だけは満タンだった!

気がつけば、往復すべての行程を、 私はひとりで運転していた。 怖かった道を、自分の手で走り抜けた、という事実は なんだかじんわり嬉しくて、 胸の奥にあたたかい灯りみたいに残っている。 (大袈裟!?笑)

できないと思い込んでいたものの正体は、 ただの慣れない不安だったのかもしれない。 自分では越えられないと思っていた坂を、 気づけばちゃんと越えていたこと。 その小さな事実が、 日常のどこかを広げてくれた気がする。

そして、この坂を越える経験は意外なところにも影響した。 昨夜のアーユルヴェーダの講義の通訳は、 サンスクリット語や専門用語も多いし インド人のドクターの発音は難しいし 大試練満載。 「これはもう無理だから、誰か代わりを探そう」と本気で思っていた仕事だった。

でも、やっぱりこれも「慣れない不安」がブロックだった。 終わってみたら主催者さんから 「素晴らしい通訳ありがとうございました!」というメッセージが来て 本当にほっとしたのよ。

あの旅で動いたのは、 車のタイヤだけじゃなく、 私の内側の地図のほうだったのかもね(^^)

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チェンダオの北、ウィエンヘーンでの体験やリス族の村訪記録を以下にまとめた。

  1. 星が見えなかった夜、火が語っていたこと:ウィエンヘーンの山、乾季にもかかわらず雨に見舞われ、星は見えなかった。それでも焚き火を囲み、香りと揺らめきに包まれた夜は、人の記憶に残る原初的な癒しを思い出させてくれた。
  2. 命を食べるという現実について:リス族の村のお葬式で供された黒豚の光景。命の痛みと、祈りと、そして「いただく」という行為の重さについて。
  3. インディ・ジョーンズと私の山道ドライブ:ウィエンヘーンへの急勾配の山道は、ひとりでは絶対に無理だと思っていた。でも友人たちと笑い大合唱しながら進んだら、怖かった坂はいつの間にか越えていた。動いたのは車だけじゃなく、私の内側の地図だった。
  4. 精霊の休憩所 〜 リス族の村で見えた、境界の話:リス族の村で道路脇に置かれた古いベンチに、何気なく腰を下ろしたのは「精霊の休憩所」だった。知らずに越えてしまった境界が、旅の記憶を別の層へと開いていった。
  5. 窓の向こうには、肝臓で読む叡智という別世界があった:リス族の村のお葬式で供された黒豚。その命が、死者を送るだけでなく、村の行方や精霊の意志を読む媒介でもあったと知ったとき、私は「見えない世界への窓」を実感した。
  6. 独り内観の時代に、境界線で自分の安産尻を笑う:チェンダオの喧騒を避け、辿り着いたウィエンヘーンの国境の街で出会った「不揃いな質感」から、真の静寂を紐解く。
  7. 布一枚で繋がるリス族の父と子 『イクメン』という言葉が消える場所:リス族の村で目にする赤ちゃんを背負う男たち。言葉の壁という境界線を越えて、赤ちゃんのくしゃみの飛沫とともに飛び込んできたのは、どんな神秘的な占いよりも雄弁な、生の輝きと慈愛に満ちた笑い声だった。
  8. リス族〜伝統が息づく色鮮やかな鼓動:ウィエンヘーンで遭遇したリス族の新年。色鮮やかな衣装を纏い、地面を叩く独特のステップ。単なる祭りを超えた、民族の魂が混ざり合う神聖な一夜の記録。
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